いよいよ2007年が始まりましたね。今年が史上最高の年になるということを、どれくらいの人がご存知でしょうか。これほどワクワクする年を迎えるのは初めてのことですが、それも当然です。なんといっても、[史上最高]なんですから。「既に今年も三分の一が終わってるだろッ」という声もあるでしょう。なるほど、そう考えれば、『銀行に勤める矢野さんがパチンコ屋で卑怯な手を使っている』という光景を思い出さざるを得ません。確か、月日が経つのが早いことのたとえで、『行員矢野、ゴト師』という言葉がありましたね。早いもので、2007年ももう五番目の月に突入しています。が・・・私が話しているのは、興行成績から見たアメリカ映画界のことなんです。
今年は間違いなく、全上映作品の入場料の総売上げが史上最高額に達しますよ。そして、もしもこの予想(ではなく、[事実]なんですけど)が外れたら、私はこのコーナーを閉鎖します。『早くても、来年の年明けに今年の年間興行成績が発表になるまでは、このコーナーが閉鎖されることはないだろう』と思っている人はいますか?それは違います。なぜなら、年内のある時点で、その金額は史上最高を記録するからです。『ローカルBANZAI!!』閉鎖の心配は無用です。・・・という私の邪推の方が、実は無用なんですけどね。だって、このコーナーの閉鎖を心配している人など誰一人としていないでしょうから。それはさておき、なぜ私がそこまで[史上最高]だと断言できるか、なぜワクワクしているかということですが、それは映画界の動きに興味を持っている人であれば察しがつくと思います。その話を、今回と次回の二回に分けて語っていきましょう。
2007年という年はとっくに始まっていても、売り上げの面から見れば低調気味の今年のここまでの映画界。その低調振りを挽回して余りある、いや、余り過ぎて来年に残しておいた方がいいんじゃないかというくらいの夏がやってきました。アメリカで[サマーシーズン]といえば、大抵の場合、五月の最終月曜日であるメモリアルデーという祝日を含む週末から、九月の第一月曜日のレイバーデーという祝日までのことをいいます。同じく、[サマームービー]といえば、以前はその期間に封切られる映画のことを指していました。ところが1999年、『The Mummy(邦題:ハムナプトラ/失われた砂漠の都)』という映画が5月7日に公開されて大ヒットしたこの年くらいから、サマームービーは5月の最初の週末からだと捉えられるようになったのです。(参考その一:98年に『ディープ・インパクト』が5月8日に公開、96年に『ツイスター』が5月10日に公開、そして『ダイ・ハード3』は95年5月19日に公開されるなど、99年よりも以前から[夏の大作]はメモリアルデーウィークエンド前には公開されていた)
『ハムナプトラ』の続編、『The Mummy Returns(邦題:ハムナプトラ2/黄金のピラミッド)』も2001年の5月4日に公開され、2002年、『Spider-Man(スパイダーマン)』が5月3日に公開されて記録的大ヒットを飛ばしてから、5月の最初の週末は映画の興行において、夏の大作群のトップを切る大事な週末と位置づけられているのです。(参考その二:2003年は5月2日に『X2:X-Men United(邦題:X-MEN2)』、2004年は5月7日に『ヴァン・ヘルシング』が公開され、昨年、『M:i:V』は5月5日に公開された)
今年の場合、日米で共に公開が始まった『スパイダーマン3』により「夏が始まった」わけですが、それはかつてない[サマーシーズン]の幕が切って落とされたことを意味し、ひいては、「2007年がいよいよ本番を迎えた」ということに繋がると、私は感じているわけです(今年は既に一本、3月9日に公開されて興行成績が2億ドルを突破している『300(スリーハンドレッド)』という映画はありますが、それでも全体的には低調なんです。『300』は日本では6月9日公開予定です)。今年の夏は、公開される作品群の陣容が空前のものになっています。アメリカ国内において、稀にしか見られない超大ヒットを飛ばした作品三本の続編を含め、ヒットシリーズの続編が目白押しです。その中で、今回はその[超大ヒットシリーズ]三作品の、それぞれの続編についてだけ解説をしておきます。それらは、いわずと知れた、『スパイダーマン3』(日米とも公開中)、『Shrek the Third(邦題:シュレック3)』(5/18米公開、6/30日本公開予定)、『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワ−ルズ・エンド』(5/25日米同時公開)の三作品ですが、超大ヒット作のそれぞれの第三弾がアメリカでは同年同月、つまり今年のこの五月にぶつかるなんて、未曾有の事態ではありませぬか!
『スパイダーマン』の一作目は前述の通り、2002年5月3日に公開され、その年の興行収入第1位、現在のところ歴代でも第7位(約4億370万ドル)という成績を収めました(歴代の全米興行収入成績では、この『スパイダーマン』までが4億ドルを突破しています)。2004年6月30日に公開の『スパイダーマン2』はこの年の2位です(1位ですか?それについては後述しましょう)。約3億7360万ドルを稼ぎ、歴代では10位に位置しています。
『シュレック』の一作目は2001年5月16日公開。興収、約2億6767万ドルという数字はこの年の3位、歴代では30位です(この年の1位の作品については次回語られることとなります。お楽しみに)。そして、『シュレック2』(2004/5/19公開)が2004年の1位だったんです。この作品の興収、約4億4120万ドルという数字は歴代でも3位ですから驚きですね。アニメとしても歴代1位ですが、配給会社のドリームワークスは、「史上最大のヒットを飛ばしたコメディー映画」と誇らしげに謳っております。『シュレック2』の上位に位置する作品は、97年公開の『タイタニック』(興収、約6億80万ドル)と、1977年5月25日にアメリカで封切られた、オリジナルの『スター・ウォーズ』(同、約4億6100万ドル。但し、1997年公開の『特別篇』を含む)しかないんですから、確かにコメディー映画としては史上1位の売り上げではあります。余談ですが、『スター・ウォーズ』の日本での公開はアメリカ公開から一年以上もあとだったんですが、今では考えられないことですね。そして、今年の『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールズ・エンド』の世界同時公開の日が、オリジナルの『スター・ウォーズ』公開の日からちょうど三十周年の記念の日ということになります。
『Pirates of the Caribbean:The Curse of the Black Pearl(邦題:パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち)』(2003/7/9公開)の興行収入は約3億540万ドルで2003年の3位、歴代では22位。昨年の『デッドマンズ・チェスト』は約4億2330万ドルを売り上げて、同年の他の作品を大きく引き離し堂々の1位、歴代では6位にまで食い込みました。
いかがですか?歴代の興行収入成績でベスト10に4本も送り込んでいる三つのシリーズの続編です。いずれも公開された年にその年の興行収入1位を獲得したことがあるということでも共通点があります。これらの作品がひと月の間に一度にぶつかるというのは、まるで、ジェイソンとフレディとホラー映画『ハロウィン』シリーズの覆面殺人鬼マイケル・マイヤーズが一度に現れるようなものではないでしょうか。いや、盆と正月とゴールデンウィークが一度に来るようなものかな。前者は怖いけど、後者はワクワクして嬉しいですからね。とにかく、それくらいにとんでもないことが、今年の夏のアメリカ映画界で起こっているということです。
気の早い話ですが、『シュレック』シリーズは、2010年にパート4が公開される予定です。『スパイダーマン』シリーズも2009年か2010年(恐らく2010年でしょう)には第四弾が観られる見込みだそうですが・・・。個人的に大のお気に入りであるサム・ライミ監督に引き続きメガホンを取って欲しいですが、「もうやらない」と語っていたのが今は「まだやってもいい」という気持ちになっているらしいスパイダーマン役のトビー・マグワイアと、まだやる気満々のメリー・ジェーン役のキルステン・ダンストともども、スタッフ及びキャストはまだ何も確実にはなっていないそうです。『パイレーツ〜』シリーズは、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが「更に三部作を作るよ」と語っていれば、ジョニー・デップもジャック・スパロー役がかなりのお気に入りらしいので、まだまだシリーズは続いていく可能性がかなり大きいですね。もしかして、また三年後にこの三シリーズがぶつかる・・・ということも十分にあり得るのではないでしょうか。
さて、過去の二本の『スパイダーマン』で約7億7700万ドル、二本の『シュレック』で約7億900万ドル、二本の『パイレーツ・オブ〜』で約7億2900万ドルを稼いでいるという、メガバーガーならぬ、メガヒットシリーズ。2004年の夏、『シュレック2』と『スパイダーマン2』が激突した時は『シュレック2』が勝ちました。今年のこの史上空前の戦いは、どの作品に軍配が上がるのでしょうか。私の予想では、「シリーズトータルの興収で、『パイレーツ〜』が『スパイダーマン』を抜くだろうな」とだけ記しておきます。
では、次回へつづく。
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